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情報で一番大事なのは、見切り発車ができるかどうかということだ。
適当なところで見切り発車する。
そのためにこそ解釈力、洞察力が必要だ。
情報というものは、形がないから、集めだしたらきりがない。
工業社会の完璧主義者がいまノイローゼになっているのはそのためだ。
完璧主義者は情報も完璧にしたがるが、情報に完璧ということはありえない。
モノづくりの工業化社会には形がある。
完成度というものがある。
一方、情報には完成度などあり得ない。
だから、集まったら適当なところで見切り発車しなければならない。
本質にあまり関係のないこまかいところは、切り捨てればいい。
見切り発車するためには、洞察力を持たなくてはならない。
仕事柄私のところにも、雑誌や新聞、単行本がたくさん送られてくるが、この情報洪水の時代だから、2ヵ月したらその大半は捨てることにしている。
送られてくる雑誌や単行本を全部大事に保存しておけば、その重さでわが家がかたむく。
新聞、雑誌のスクラップを人並みにやってみたが、この通りの横着者で、そのうち飽きて止めてしまった。
データその他はそのつど、日頃親しくしているミニーシンクタンクから送ってもらうことにしている。
かつては本の数を増やすことで、インテリになれ、大学者になれた。
いまは誰でも情報を買える。
だから反対に捨てていく努力が必要になる。
情報力の根源にあるのは、何といっても好奇心である。
そしてこれはどういう意味だろうと自分なりに考えてみることである。
早い話、好奇心と想像力に恵まれたら、新聞一紙を丹念に読んでいるだけでいっぱしの評論家になれる。
あとは、バラエティにとんだ人に会うこと、現場を歩いてみることが大切である。
旅こそマーケティング伝統の価値がよみがえる。
私は旅によく出かける。
函館、小樽、札幌に行ったし、松江にも長崎にも行った。
生まれて初めて東北の田舎道も歩いた。
やはり街それぞれに魅力がある。
小樽や函館は若い人に人気がある街だ。
倉敷や萩、津和野もきれいな街だが、いずれも残念に思ってしまうのは、魅力的なところがほんの一画に過ぎないということだ。
函館には洋館もあるが、神戸のようにオヤつと見入ってしまうものは少ない。
というのも、それぞれの街の全盛期が短かったために、文化の蓄積が充分にはできていないからだ。
小樽は旅するものにはめずらしい廃市である。
一方、京都は1200百年の都である。
1000年以上にわたって富を蓄積してきた。
ある面では、「ぜいたくさ」といえる文化を養ってきている。
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